Mozilla Security Blog 日本語版

Mozilla Security Blog を日本語に翻訳(非公式)

【翻訳】非 HTTPS ページへの新しい警告表示

この記事は、2017 年 1 月 20 日付で Mozilla Security Blog に投稿された Communicating the Dangers of Non-Secure HTTP(筆者: Tanvi Vyas, Peter Dolanjski)の翻訳です。この翻訳は公式なものではありません。詳しくはこちらをご覧ください。


新しい警告表示

安全な HTTP プロトコルである HTTPS は、現代の web において重要な役割を担っています。ブラウザと web サーバの間では HTTPS による認証と暗号化が行われ、安全な通信路が確立されます。インターネットバンキング、または友人とのやり取りなど、HTTPS は web の様々な場面で盗聴や改ざんを防ぐのに役立ちます。通常の HTTP で通信してしまうと、web サイトの内容がネットワーク上の第三者に見られたり書き換えられたりするリスクがあるため、HTTPS の存在は重要であると言えます。

web を利用しているユーザの安全を確保するため、開発者の皆様には web サイトを HTTPS で配信するようお願いしています。HTTPS の採用に関しては 以前よりもハードルが低くなっています。今日における web のトラフィックは大半が HTTPS で保護されており、HTTPS の利用率には 大きな改善が見られます

(訳注:HTTPS の利用率に関するグラフは 元記事 から参照してください。)

Firefox の新しいセキュリティ UX

Firefox のアドレスバーには従来、HTTPS の web サイトには緑色の鍵アイコンが、非 HTTPS であれば(鍵ではない)通常のアイコンがそれぞれ表示されていました。緑色の鍵アイコンは、サイトと安全に通信が行われていることを表しています。

HTTPS 時の従来表示

HTTPS 時の従来表示

非 HTTPS 時の従来表示

HTTPS 時の従来表示

HTTPS であるリスクをユーザへ明確に示すため、今月の Firefox 51 からは「パスワードの入力欄を持つ非 HTTPS な web ページ」について、赤線の入った灰色の鍵アイコンがアドレスバーに表示されます。

新しい警告表示

新しい警告表示

“i” のアイコンがクリックされると、パネルには「この接続は安全ではありません」と「このページのログインフォームは安全ではありません」と表示されます。

Firefox Developer Edition では既に、2016 年 1 月よりこの新しい警告表示が実装されています。その 2016 年 1 月以降、完全に HTTPS で保護されたログインフォームの割合は、Firefox が確認した範囲で 40% から 70% に増加しHTTPS のページ数も全体で 10% 増加しました(訳注:元記事のグラフ参照)。

今後の Firefox のリリースでは、ユーザ名やパスワードの入力欄をユーザがクリックした際に、もしそのページが非 HTTPS であれば、入力欄の直下に警告メッセージが表示される予定となっています。このメッセージには先程と同様、赤線の入った灰色の鍵アイコンと、「この接続は安全ではありません。このページのログインフォームは安全ではありません。」のメッセージが表示されます。

非 HTTPS ページのパスワード入力欄に対する警告表示

今後の展望

HTTPS の利用を推進しつつ、ユーザにリスクを正確に伝えるため、最終的に Firefox は非 HTTPS ページのすべてに斜線入りの鍵アイコンを表示するようになるでしょう。これにより、安全でない旨をユーザへ明確に示すことに繋がると思われます。引き続き計画の進捗は報告いたしますが、今回の変更を受けて開発者の方々には是非、web ユーザを HTTPS で保護するのに必要な取り組みを行ってください。

今回の機能に関する技術的な詳細は、昨年の ブログ記事(参考:日本語訳)をご覧ください。今回の変更が Firefox のリリース版へ反映される前に web サイトをテストしたい場合は、最新版の Firefox Nightly をインストールしてください。

謝辞

今回の変更に関して、エンジニアリング、ユーザ体験、ユーザ調査、品質保証、プロダクトチームの Sean Lee, TImGuan-tin Chien, Paolo Amadini, Johann Hofmann, Jonathan Kingston, Dale Harvey, Ryan Feeley, Philipp Sackl, Tyler Downer, Adrian Florinescu, Richard Barnes の各氏に感謝申し上げます。そして特に Matthew Noorenberghe 氏に感謝を申し上げます。彼の助け無くしては実現できなかったでしょう。